子宮頸がんワクチンは受けるべきか?
年齢と副作用について

Hpv Vaccine

子宮頸がんは、ほとんどがヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスが原因で発症する病気です。世界の女性の間で4番目に多いがんですが、子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)によって発症リスクを大幅に下げられます。

子宮頸がん予防には、若い年齢でのワクチン接種が推奨されており、成人してからの接種でも一定の有効性が期待できることが分かっています。
高い効果を発揮する子宮頸がんワクチンですが、副作用や費用についての疑問、不安を抱える人も少なくありません。

この記事では、接種を検討する際に知っておきたい基本情報、受けるべきタイミング、副作用、そしてキャッチアップ接種についてくわしく解説します。

子宮頸がんワクチンとは?種類は?

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は子宮頸がんの原因となるHPVの感染を予防する筋肉注射

子宮頸がんワクチンとは、子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するワクチンです。HPVワクチンとも呼ばれ、世界保健機関(WHO)も接種を推奨しています。

HPVには200種類以上の遺伝子型(タイプ)がありますが、その中でも子宮頸がんを引き起こしやすい型への感染を防ぎ、子宮頸がんの発症リスクを大幅に減少させます。

子宮頸がんワクチンには複数の種類がありますが、違いはHPVのどの型を防げるのかが異なる点です。

サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすいHPV16型と18型の感染を防ぎます。シルガード9はその2つの型に加えて31型、33型、45型、52型、58型の感染も防げるため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぐことが可能です。

大宮駅前婦人科クリニックでは、より多くの型を予防できるシルガード9を取り扱っています。

子宮頸がんワクチンは痛い?

子宮頸がんワクチンは、筋肉注射として接種します。軟らかい皮下組織に注射する皮下注射と比較して、やや強い痛みが生じるケースがありますが、痛みの感じ方は個人によって異なります(新型コロナウイルスワクチンは筋肉注射、インフルエンザの予防接種は皮下注射が一般的です)。

筋肉注射後は、筋肉痛のようなだるさや痛みが数時間から半日程度続く場合がありますが、徐々に軽快していきますのでご安心ください。

子宮頸がんワクチンを受ける年齢

子宮頸がんワクチンの定期接種とキャッチアップ接種の年齢

子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、16歳までに接種するのがもっとも効果が高いとされています。

子宮頸がんを引き起こすHPVは、性交渉(セックス)によって子宮頸部に感染します。そのため、初めての性交渉前にワクチンを接種することが推奨されているのです。

日本では2013年4月に子宮頸がんワクチンが定期接種化(決められた条件下で、公費で接種を受けることができる制度)されており、小学6年生から高校1年生相当の女子がこれに該当します。

大人でも受けられる?

初めての性交渉前に接種が推奨されているHPVワクチンですが、定期接種の年齢を過ぎても、任意接種としてワクチンを受けられます

これまでの性交渉ですでに感染したHPVを排除する効果はありませんが、未感染のHPVへの感染を防ぐ効果が期待できます。

ただし、45歳以上の接種については、その効果や安全性が確認されていないため、推奨されていません。

平成9年度生まれから平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない場合は、HPVワクチンを公費で接種できる「キャッチアップ接種」を利用できます。くわしくは「子宮頸がんワクチンのキャッチアップ接種とは?」をご覧ください。

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子宮頸がんワクチンの
副作用(副反応)について

一時期ニュースでも大々的に取り上げられたため、子宮頸がんワクチンの副作用(副反応)について、ご不安に感じている方も多いのではないでしょうか?

ここからは、子宮頸がんワクチンの軽度な副作用と重篤な副作用について、それぞれ解説します。

軽度な副作用(副反応)

  • ・接種部位の疼痛
  • ・痒み
  • ・腫れや赤み
  • ・頭痛

子宮頸がんワクチンの一般的な副作用として、上記の症状があります。いずれも、数時間~半日程度で軽減していく症状です。

稀に、不安・恐怖などをきっかけとしためまいや失神、心拍数増加、呼吸困難感・過換気などが挙げられますが、これらは子宮頸がんワクチンに限らず、予防接種時に起こる可能性がある「予防接種ストレス関連反応」とされています。

国際的な臨床試験においても、子宮頸がんワクチン時の失神の発現は認められていないため、極めて可能性が低い症状といえるでしょう。

重篤な副作用(副反応)

  • ・アナフィラキシー(呼吸困難、じんましんなどの重度のアレルギー)
  • ・ギラン・バレー症候群
  • ・急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
  • ・複合性局所疼痛症候群(CRPS)

子宮頸がんワクチンの重篤な副作用として上記が挙げられていますが、ワクチン接種と直接関係がないと思われる報告も含まれます。

子宮頸がんワクチンは販売開始から厚生労働省による副反応追跡調査が実施されており、安全性が報告されています。

2021年11月12日に開催された予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会において、 HPVワクチンの安全性について特段の懸念が認められないことが確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められました。 引用:日本のHPVワクチン安全性報告

世界保健機関(WHO)も世界中の最新データを継続的に追っており、そのうえで安全性を認め、子宮頸がん根絶のためにワクチン接種を推奨しています。

子宮頸がんワクチン「シルガード9」

シルガード9(9価HPVワクチン)で予防できるHPVの型

大宮駅前婦人科クリニックでは、80カ国以上(2020年3月時点)で承認されている「シルガード9」(9価HPVワクチン)を取り扱っています。

シルガード9は子宮頸がんを引き起こすHPVの9つの型の感染に有効であり、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます

また、シルガード9は子宮頸がん以外にも、HPVが原因で引き起こされる外陰上皮内腫瘍、腟上皮内腫瘍、性感染症の一つである尖圭コンジローマの発症を予防する効果が期待できます。

子宮頸がんワクチンの費用

シルガード9 29,700円/1回

シルガード9の十分な効果を得るためには、初回接種(1回目)、2カ月後(2回目)、6カ月後(3回目)の計3回接種が必要です。

定期接種の対象年齢である小学校6年生~高校1年生相当の女子は、公費で接種が行えます

また、平成9年度~平成19年度生まれまで(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性で、定期接種の対象年齢の間に接種を逃した方も、公費でシルガード9が受けられる「キャッチアップ制度」があります。

子宮頸がんワクチン接種には、予診票の記載が必要です。また、未成年の方は、予診票に保護者の方の署名が必須となります。あらかじめご了承ください。予診票は、大宮駅前婦人科クリニックにご用意がありますので、スタッフまでお声がけください。

子宮頸がんワクチン接種時の持ち物

大宮駅前婦人科クリニックで子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)を受ける方は、以下のお持ち物が必須です。

  • ・診察券
  • ・保険証
  • ・母子手帳
  • ・現住所がわかる身分証
  • ・予診票

予診票を忘れた場合は、ご来院後に記載いただくことも可能ですが、記入時間があるため、ご予約時間の10分前までにはご来院いただく必要があります。

なお、必要なお持ち物をご持参いただけないと、ワクチン接種が実施できません。あらかじめ、ご了承ください。

子宮頸がんワクチンの
キャッチアップ接種とは?

キャッチアップ接種は、過去に子宮頸がんワクチン接種の機会を逃した女性を対象にした、ワクチンを公費で受けられる制度を指します。

以下、2つの条件を満たす方が、キャッチアップ接種対象者です。

  • ①平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性
  • ②過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない

2024年11月に延長する方針が発表され、2025年3月31日までに少なくとも1回の接種を受ければ、ワクチンを公費で接種できます。

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埼玉・大宮で
子宮頸がんワクチンを接種するなら
大宮駅前婦人科クリニックへ

子宮頸がんワクチンの接種は、ご自身やお子様の健康を守るための大切な選択です。正しい知識を持ち、接種を検討しましょう。

大宮駅前婦人科クリニックでは、取り扱いワクチンとして「シルガード9」を採用しており、広範囲のHPV型の予防が可能です。

産婦人科専門医が患者様のご不安や疑問に寄り添い、ご相談から接種後のフォローまで、万全の体制でサポートいたします。ワクチン接種をご検討中の方は、お気軽に当クリニックまでご相談ください。

子宮頸がんワクチンに関する
よくあるご質問

子宮頸がんワクチンは何回打つべきですか?
A.HPVワクチンの接種は通常、3回のスケジュールで行われます。初回接種から2カ月後に2回目、さらに6カ月後に3回目を受けることで、最大の効果が得られます。ただし、ワクチンの種類や年齢によって異なる場合もあるため、接種スケジュールは、必ず医師にご相談ください。
子宮頸がんワクチンは、どのくらいの人が受けているのでしょうか?
A.厚生労働省が公開している資料によれば、2022年4月から2023年3月までの1年間に子宮頸がんワクチンワクチンの3回目接種を完了した方は、31万人以上いることがわかっています。キャッチアップ接種の延長も決まったことで、今後さらに接種人数は増えていくと予測されています。
子宮頸がんワクチンを打った後に発熱することはありますか?
A.HPVワクチンの接種後、軽度の発熱が見られることがあります。通常は1~2日で回復しますが、高熱が出ていたり症状が長引いたりしている場合は、医師に相談してください。

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  • 2024/3/25

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